第438話 一手違い

文字数 395文字

 王位戦第三局は、無難に藤井が豊島を下した感じがした。藤井の強さは、一度リードしたらそれを手放さないことだ。相手はじりじりと追いつめられ、何も出来ずに負けてしまう。最近はそういう対局が増えている。こういう将棋は相手に大きな打撃を与える。永瀬との棋聖戦の最終第四局はまさにそんな感じだった。第三局での打撃がそうさせたのだ。


   岸和田のだんじり祭り

 いわゆる一手違いの勝ちだ。一手、相手より先着すれば勝てる。プロの将棋は、終盤ほとんどがこれで終わる。この一手の違いが無限大に大きい。一手が見つからずプロをあきらめる人もいる。一手のミスでタイトルに届かない棋士も多い。昨日の豊島は、5三角成という一手を指すのになんと3時間3分考えた。そして間違ってしまった。ほんとうに怖い世界だと思う。
 自分のヘボ将棋は、一局に何度ミスを犯すのだろうか。強者は相手のミスを絶対に見逃さない。負けてばかりいる。

 
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