第119話 初恋

文字数 452文字

 朝ドラで「おかえりモネ」では、モネと医師、菅波先生との淡い恋が成就しようとしている。周りはそれを望んでいるにも関わらず、本人たちはお互いの恋の状況がわかっていないのか、気持ちの行方がはっきりと見えない。恋とはそんな不透明で、壊れやすいものなのかもしれないけれど、これはドラマとしての監督の意図するところだろう。
 また、朝ウオークでは先日から聴いている朗読「友情」(武者小路実篤)が佳境に入っており、主人公の野島が想いの人、杉子へ告白の手紙を送ったところだ。

 この二つの初恋という人生での大事なシーンは、自分も含めて誰しもが通過してきた道なのだ。それが他人事であったとしてもいつまでも心に残るシーンであり、いつまでも魅力を失わない場面なのだろう。
 ただ、冷静に古希をとっくに過ぎ去ったわが身を振り返るとき、いったいこんなことが自分たち夫婦にもあったのだろうかと、はなはだ記憶に自信がもてない。若き時のあの幻影とも言えそうな恋は、いったいどこに消え去ってしまったのだろう。なんだか少し寂しい気持ちにもなる。



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み