第531話 勝負の分かれ目

文字数 552文字

 竜王戦第二局は藤井と広瀬の金の使い方に差の出た勝負となった。以前に藤井はタイトル戦で、異例の金を前面に押し出す戦法で勝利したことがあった。それを真似しようと思ったわけではないだろうが、広瀬が序盤に3三金と上がる戦法を取った。結果その戦法が敗戦の原因になってしまった。逆に藤井の守りの金が広瀬の反撃の目を塞いでしまう。金の使い方には、藤井のほうが一枚上のような戦いだった。


   奈良国立博物館 仏教美術資料研究センター

 野球の日本シリーズ第一戦は、四番のヤクルト村上とオリックス吉田の差が勝敗を分けた。8回の先頭の打席で、村上は千金の特大ホームランを打ち、差を二点と広げた。この1点が勝敗の行方を決めたようだ。9回のランナー一塁のチャンスに打席たった吉田は、ヤクルトにとっても怖い存在だ。抑えのマクガフは絶対にホームランになる球は投げなかった。誘いこそすれ、歩かせて一二塁のピンチもOKの投球をした。吉田はその誘いに乗らず四球を選んだが、それはヤクルトのバッテリーと高津監督の予想の作戦だった。次の杉本がヒットを打っても一点差がまだあると踏んでいた。その余裕で、杉本と次の代打を三振に打ち取りゲームセットとなった。
 勝負の分かれ目は、意外に大事な局面で現われるものなのだ。


   奈良へも久しく行っていない

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