第105話 幸せの物差し

文字数 487文字

 幸せの物差しっていったい何なんだろうと思う。人によって、国によって、状況によってみんな違っている。
 もう二年近くも続くコロナ感染、毎年のように起こる天候不順、世界情勢への不安など、あまりいいとは言えない状況が続いている。もちろん、不運にもコロナによって命をなくされたり、命の危険にさらされた方もおられるだろう。

 そんな中、この時期には、当然のように先の太平洋戦争関連のドキュメントやドラマが放映される。もう76年も前のことで、自分も戦後生まれ、具体的な状況はそれらを見たり、父母らからの話でしか知らない。食べるものがない、住むところもない、いつ命を取られるかわからないという空襲、先の見通しなど全くない、などと伝え聞く310万人にのぼる犠牲者を出した先の戦争ほどでは決してないのだ。
 当時と比較するとき、今の我が国は平和であり、住むところもあり、仕事があり、食べ物も豊富にある。日々、メディアは不安や不満をここぞとばかり騒ぎ立てているけれど、概ね順調なのだ。
 そんな状況の中で、アフガニスタンから脱出しようとする飛行機にすがり付く多くの人たちを見た。唖然とする光景だった。



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