第32話 人生で後悔したこと

文字数 528文字

 過去を振り返って、自分の人生に後悔は少なかった方かなと思っている。それでも、いくつかの悔いが残ることがある。そのうちで最大のものは、英語がしゃべれなかったことだ。小学校の後半英語塾に通いだしてから大学を卒業するまで、自分の英語は受験のための英語であり、単位修得のためのものだった。だから、英会話はもちろん英語の本もろくに読むことができなかった。
 社会に出た当時から、海外から来訪者が急増し、海外への旅行、渡航の機会も急速に増えていった。そんな中で、英語できる人は、特別な存在で凄くかっこ良かったのだ。自分もあのように会話ができたらと、何度悔しい思いを抱いたことだろう。そんな悔しい思いを、英会話を習うという行動にでなかった自分が悪かったのだ。
 もちろん、単語や基本的な文章ぐらいはわかるのだから、思い切って一人で海外へ行くという手もあったかもしれない。そういえば、そのころ弟が、ヒッピーよろしくハワイで生活をしていたことがある。ただサーフィンをやりたいという一念で。でも英語に苦労したとは聞いたことはなかった。習うより慣れろが、一番いいのかもしれない。
 いつの時代も冒険者はいるものだ。五木寛之や沢木耕太郎が、渡航前にペラペラしゃべれたとは聞いていない。
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