第２０７話　変化と循環

　先日、表と裏、陰陽のことを書いた。全ての物事には両面があり、両方で一つのものを形作っているようだ。成功の裏には人には見えない苦労の連続がある。片方だけを見ていては、そこに存在するだろう本当の姿は見えない。




　さらに書き足せば、これらの全ての物事は、一つのところに留まることなく変化、循環しているように見える。
　一つの家庭には、変化、成長、老化、衰退が起こり、夫婦間にも様々なことが千変万化する。幸運はいつまでも続かないし、思いもよらない不運もやってくる。健康をそこなって病気になり、また癒えて健康の有難さを実感する。季節はめぐり、暑い暑いと言っていても、いつのまにやら秋から冬へと突入する。そして厳しい冬を乗り切れば、また暖かい春がやってくる。十二月の大晦日を一日越えれば必ず新年がやってくる。月日も一つのところに留まることなく、正確に循環を繰り返している。



　
人の成長の循環、人生の循環、世の中の世代交代、世界中に日々起こる事故や事件、出来事も一つのところに留まることなく変化、循環していく。今回のコロナ騒ぎも、やがては終息し、やがては形を代えて循環を繰り返すのだろう。
　日々の新聞は、様々な人々の生老病死を伝え、あらゆる事柄が世界中で起こっては消滅し、また出現することを伝えている。