第238話 人生の価値観

文字数 672文字

 ウオークから帰ってきてテレビをつけると、新春漫才をやっていた。お笑いに最近は興味がないけれど、難波花月からの生中継だったので何となく見ていた。見ながらふと思った。この人たちは、お笑いという激烈な競争の中で生き残った人たちなのだ。だからこそ、この正月という舞台に上れているのだ。また、お正月のテレビ番組に登場する様々な芸能人は、全て競争に打ち勝っている人たちなのだ。そんな他愛もないことをふと感じた。

 考えて見れば、資本主義や民主主義の世の中においては、全ての中に競争原理が働いていて、その中でほとんどの人が生きている。競争に打ち勝ったものは、概ね多くの収入と満足感を抱くことができる。しかし、勝ち続けていくことはそんなに生ややさしいことではない。昨年も、企業間競争の果ての、生き残りや買収、合併などのM&Aのニュースが新聞紙上をにぎわせた。お笑いも企業も、コロナ禍の中で生き残りを賭ける商売人たちも、同じ枠の中で戦い続けているのが現実のようだ。
 この競争原理の中からはみ出て、生きることもできる。自分の好きなように、好きなことをやり続けて成功する人もいる。五味太郎さんもそうだ。昨年に亡くなった、瀬戸内寂聴さん、橋田壽賀子さん、立花隆さん、寺内たけしさん、田中邦衛さん、サトウサンペイさんなどなど。これも生やさしいことでは決してない。

 自分の人生の価値観をどこに置くかを早めに決めることは、人生を豊かに過ごす秘訣かもしれない。どちらにしても、選択の自由があるということはすばらしいことだ。そんなことすら考えられない人たちも、世界には一杯いる。



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