第358話 立花隆 最後の旅

文字数 534文字

 NHKで、「立花隆 最後の旅」を見た。「人間とは何か?」という問いに、あらゆる角度から追い求めた生涯であったことが少し分った。この人の生き方を見て、良くわかったとか、完全に理解できたとは、到底言える自信が自分にはない。これほど、人生を勉強一筋に傾けることが出来た人は少ないだろうし、まったくの天才だと思う。
 勉強は、生物学、環境問題、医療、宇宙、政治、経済、生命、哲学、臨死体験など多岐にわたる。田中角栄に関わった十数年を、まったくの無駄な時間だった後悔しているのが彼らしいけれど、しかしそれがあったから社会に認知されたことも事実のことだ。



 自分が一番に興味を引かれたのは、人間の永遠のテーマである「死後の世界」の是非に対する彼の答えだった。自分も含めて誰しもが疑問に思うことだろうことを、彼は答えていたのだ。彼の答えは「死んだら、全てが無になる」というものだった。地獄も天国も無い、生まれ変わりも無い、霊魂の存在もないと言う結論だ。自分もそうだろうことを、ほぼ確信している。
 しかし、彼にしても生きている間に、「死後の世界」が無いということを証明ができなかったことだけは残念だっただろうと思う。生きている人に「死後の世界」を見て戻ってくることはできない相談なのだ。


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