第190話 「落ちを付ける」

文字数 512文字

 


「落ちを付ける」ことの重要性を、NHK朝ドラ「マー姉ちゃん」の中でかたっていてハッとした。漫画家、田川水泡が弟子入りした磯野マチ子(サザエさん)の漫画には、この落ちがあるとほめているシーンだった。この落ちが、すべてのものに必要な気がする。全てとは、落語の落ちから始まって、漫画、小説や様々な文学作品、もっと大きくとらえれば芸術作品にも必要だと思えるのだ。
 文章の公募も含め各種のコンクールの入選作には必ず落ちがあるような気がする。そこに選ばれた特選などを読むとき、読後にホッとする、感動する、涙を誘う、共感を抱くことが多い。これはその作品の落ちがしっかりしているからだろうと思う。心に訴えてくるものがあるのだ。




 落語の落ちには様々なものがあるようだ。4コマ漫画にもある。文章には、これといった法則や方式はないけれど、いい小説を読んだ後の読後感はこの落ちが優れているからだろうと思う。
 落ちとは言い換えると、人への様々な感動と捉えることが出来ると思う。自分に欠けているものはこの落ちだと気づいたわけだ。起承転結の結にあたるものだ。
 先日から考えているある文章の落ちを何とか見つけ出せるよう、さび付いた頭を揺り動かせてみよう。



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