第181話 長嶋茂雄

文字数 464文字

 長嶋茂雄がプロ野球初となる文化勲章を受章した。2004年に脳梗塞で倒れてからも、必死に頑張る姿を多くのファンに見せてくれている。人間の偉大さを自然に感じてしまう瞬間だ。もう17年もリハビリと戦い続けているのだ。自分にはとても出来ないことだと思ってしまう。

 長嶋を想う時、決まって思い出されるのは杉浦と野村だ。この三人には、三人三様のプロ野球の歴史がある。昔の南海ファンである自分にとって、1959年の南海と巨人の日本シリーズは、絶対に忘れることが出来ないプロ野球のシーンだ。南海が杉浦のスーパーマンのような活躍で、四連投四連勝を達成したのだ。打ち気にはやる長嶋を野村は冷静に見てとり、杉浦に外角高めの直球のサインを出した。見事にそれに引っかかった長嶋の三振で、南海は宿敵巨人を下しての二リーグ制初の日本一に輝いたのだ。今でもその光景が目に浮かんでくる。
 
 杉浦は66歳で早世し、ノムさんは昨年に84歳で亡くなった。85歳の長嶋は、今もあの明るい笑顔で頑張っている。この三人ほど、僕にプロ野球の楽しさを教えてくれた人はいない。



 
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