第９６話　「ビリギャル」

　自分の嗜好ではまず見ることはないだろうと思っていた「ビリギャル」という映画を見た。アマゾンから映画を選択する基準の一番は、星（★）の数だ。経験上それが間違いないことを知っている。あとは出演者、そして映画のタイトルだろう。よほど暇だったとはいえ、この「ビリギャル」を自分の年齢やタイトル、雰囲気からしてもバツだったのに星の数は４点５という数字でクリックしてしまった。それがだ。見事に裏切られた。
　面白かった、楽しかった、涙が出てきた、応援したくなった、可愛かった、感動した、、、が、僕の素直な感想だ。先入観念で何事も決めてはならないことを改めて思い知らされた映画だった。日本アカデミー賞はだてじゃないのだ。星の数は４点５という数字は正しかった。
　もちろん主役の有村架純がうまかったことは言うまでもないが、脇役の伊藤淳司、田中哲司、吉田羊、安田顕らの実力派が顔をそろえていたことも大きな要因だろう。食わず嫌いは損をすることを、人よりは良く知っているはずだったのに。