第245話 睡眠

文字数 527文字

 睡眠は、こうあらねばならないという常識にとらわれていたのかも知れない。高齢になると、若い時のような深い眠りは難しくなるようだ。徐々に眠りが浅くなり、朝まで夢の一つも見なかったということは、もう不可能なのだ。昨年からの自分の課題である「こうあるべき」を考える上で、新年早々に大きなチャンスが訪れて来たのかもしれない。睡眠は人間にとって、至極大きな問題だと思う。人間は人生の三分の一を眠っている、とはよく言われることだ。睡眠を上手く取れないで体調を崩したり、精神的に不調を来たしたりするという話もよく聞く。




 ここ数年は、浅い眠りや夜間頻尿に悩まされることが続いていた。深い眠りが自分としての望みだし、睡眠とはこうあるべきという思い込みがあった。しかし、もうそれは難しいことなのだ。昨年末から、もうそこにはとらわれないで、昼寝を積極的に取り、夜は眠くなるまで我慢する、を実行しはじめた。すると、以前のような夜中に一時間おきに眼をさまし、トイレに駈込むのが減ったし、少しは睡眠に満足感も増えている。
 なので、今年になって「こうあるべき」睡眠を度外視して考えてみようと思ったのだ。年齢相応の、自分に合った眠りを前向きに考えることも、案外と楽しいことかもしれない。



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