第299話 メルケル

文字数 504文字

 今日の朝刊に興味ある記事を見つけた。それは、橋本五郎氏が紹介する、ドイツの首相を16年間務めた「メルケル 世界一の宰相」の内容(米ABC記者が書いた)だった。
 プーチンを始め、今の世界のリーダーにとっても耳の痛いことが書かれていると思った。彼女の政治信条は次の三つに要約されると言う。
① 彼女の師であるヘンリー・キッシンジャーが言う、大半の政治家が陥る罠に彼女は落ちなかった。それは「かけひきに夢中になり、政治家同士で話ばかりしている」
② 派手なパフォーマンスや美辞麗句を嫌い、実績重視貫いた。フェミニズムを声高に唱えることもなかった。
③ 尊厳ある政治を心がけ、倫理性の高い政治を追い求めた。国民の反対を押し切って、難民対策に力をいれた。

 そして、政治生活を支えた自らの資質を問われ「忍耐です!」ときっぱり。後世にどう言われたいかと問われ「努力の人だった、と」。東独出身、理系、女性という三重の足かせを背負いながらの、彼女の残した功績は心から偉大だと思う。政治家を去った今、彼女の残像が全く感じられない潔さ、本当に凄いと思う。残念ながら、この条件にはまりそうもない世界のリーダー達が揃っているように見える。



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