第111話 安野光雅

文字数 421文字

 安野光雅さんの本が届いた。一枚一枚ページをめくりながら、慈しむように眺めている。安野ワールドはホッとする世界なのだ。そんな中で気づいたことがある。
 安野さんの絵は、原色や派手な色を使わない淡い水彩画と紹介されることが多い。でも、「わたしは画家(絵描き)であって、絵本作家でも水彩画家でもない」と本人は言う。師匠を持たず、我流で勉強し、独自の世界を創り上げてきた安野さんらしい言葉だ。
 基本的に水彩画は、長い歴史の中から築き上げられてきた遠近法や陰影をふんだんに使った技法だ。自分も、さらったと仕上げた中に立体感のある風景画が描きたいと思った。しかし、これにはデッサンから始める基礎力があってのことだと気づかされた。
 そんな時に安野さんの絵に出合った。こんな風であれば、自分にも少しはまねができると思ったのだ。彼の絵には、ほとんど言っていいぐらい陰影がない。
あとは、安野さんのように94歳まで元気で人生を楽しむのが目標だ。

  <模写の愚作品>

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