第171話 鍋の出汁

文字数 595文字

 自分は食い意地が張っているせいか、スーパーや百貨店の食品売り場をのぞくのが好きだ。昔と違って最近は家庭で本格的な料理が作れるようになっている。そのためのキットやセット販売が当たり前になっている。
 また様々な料理番組は増えているし、ネット検索で多種多様なレシピが簡単に手に入る。食品売り場に急に目立つようになってきたのは、様々な香辛料、タレ類、出汁類だ。自分も好きなので、珍しいものを見つけるとついつい買ってしまう。我が家の食卓の横には、そんな買い集めた食材で溢れている。使い切らないうちに、またもや同じようなものを買うので、家内に叱られてばかりいる。それにしても、食材の進化スピードはめまぐるしい。売れなくなると、すぐに廃版、そして新製品が繰り出される。
 四五年前からこの時期になると、いろいろな鍋の出汁が売られるようになった。当初は出汁屋さんのものが主流だった。しかし、最近では食品メーカーがみんなこぞって出品するので、目移りがするほど種類が多い。どれを選択しようかといつも迷ってしまう。
 昨日食べた、豚しゃぶのタレは美味かった。あまり褒めない家内が、久しぶりに気に入った様子だった。でも、次に同じものを探し出すのが案外と難しいのだ。スーパーによって、それぞれ売られているものがみな違う。どこで買ったのかをいちいち覚えていられないのだ。
 近隣にスーパーは約12,3軒ぐらいあるのだから。






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