第473話 責任

文字数 437文字

 安倍元首相の殺害という事件の責任を取って、警察庁長官と奈良県警本部長が辞任した。引責辞任というある種のけじめ、幕引きであろう。武士の時代であれば、切腹ということになっていたのだろう。企業の不祥事にも、事の重大さに準じて担当責任者や担当役員、時によっては社長の更迭ということも珍しくない時代だ。



 もしも、警察庁長官かもしくは奈良県警本部長が、安倍さんの応援演説の一週間前(あるいは1日前)に新規赴任していても同じ責任を取ったのだろうか。
 何だかもう一つよく分からない。辞任したからといって安倍さんが生き返るわけでもない。一人の暴漢の行為がここまでの影響を及ぼしている。ならば、ウクライナで日々不運にも殺害された人の命の責任についてはいったいどうなるのだろう。殺害犯人はプーチンだ。でも、世界は誰もその追求が出来ていない。なんとも不思議なことが人間社会では起こっているのだ。
 責任を取るというのは、人間社会の掟であり決め事なのだが、そのことが正しいかどうかとは別のものだろう。



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