第329話 「80歳の壁」

文字数 404文字

 先日、新聞に「80歳の壁」という本の広告がのっていた。まことに老人にとっては心地よい、気持ちのいい言葉ばかりが並んでいる。著者は老年医学、精神科医だという。いくら医者が書いたのだといっても、どうも胡散臭く感じる。その内容の主なものを列挙すると、
・ 医療にたよるなかれ
・ 健康診断は受けないほうがいい
・ 食べたいものは食べ、飲みたいものは飲んでいい
・ 癌は切らないほうがいい
・ 血圧、血糖値、コレステロール値は気にしなくていい
・ 運動はほどほどに
・ 脳トレより自分の好きなことをする
・ ぬるめの湯、浸かる時間は10分以内



と、本当に老年にとって耳障りのいい言葉、聞きたい言葉ばかりが並んでいるのだ。本当だろうか。なんと決めゼリフは、高齢医療の第一人者による長生きの「正解」とある。
 こう書けば本は売れるだろうが、、。確かに、80ともなれば、残りの人生をこういうふうに生きてもいいような気もしないではないけれど。



ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み