第277話 法廷を変えた男

文字数 550文字

 「マーシャル・法廷を変えた男」を見た。全米黒人地位向上委員会(NAACP)の弁護士として活躍し、アフリカ系アメリカ人として初めて合衆国最高裁判所判事となった人物の映画だ。
 今の日本には、差別はほとんどないと言える。単一民族による国家という点が大きいのだろう。まことに日本は幸せな国だと思う。差別は元来が自分と他者との違いから生まれる。同じ兄弟に生まれても、差別に似たようなものが存在する。自分と他人の違い、人種の違いは大きな差別の要素だ。おおむね13の人種からなるアメリカにあっては、この感覚は日本人にはとても理解が不可能だと思われる。
 特に、黒人は成立がアフリカからの奴隷としての出発点なので、差別の完全な解消は困難な問題だろう。そんな中でのマーシャルの奮闘は、筆舌に尽くしがたい差別と、それに対する不屈の挑戦があってのことと想像できる。




 現在の世界には、様々な差別が根本の原因となって紛争や問題が山積みになっている。ますますこの状況は複雑化しており、立場や状況の違いはそれらをより助長しているようだ。差別は、人類にとっての最大の問題であり、根本的な解決の道を探すことは不可能に近いと思える。
 ならば、いかに人類がその中で、人智を活かして妥協点を見つけ出せるかを考えるしかないのではないだろうか。



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