第７８話　まさかの逆転勝ち

　水谷・伊藤の混合ダブルスペアが、宿敵中国ペアを破り、金メダルを獲得した。
　スタートの２ゲームをあっさりと取られ、今回もやっぱり駄目かと思った。しかし、第３ゲームを取り、チームに勢いと、このチームにしかない強みが発揮できる展開になってきた。二人の息がピッタリと合ってきたのだ。続けて４，５セットと連取する。６セットは中国ペアの意地が勝った。最終第７セット、逆境を跳ね返す力は二人のほうが勝っていた。結果は、圧勝の展開で初の金メダルを手にしたのだ。
　準々決勝のドイツ戦で、７点のビハインドをひっくり返しての大逆転が、二人に大きな「力」となっていたのだ。
　卓球に、自分には辛い思い出がある。市の大会で、格上の相手に得意のサービスがきまり、２０－１３とあと一本まで迫った。なのに、あと一点が取れず、守りに入ってしまい大逆転を喫した。（以前は２１点制だった）この負けは、今でも残る悔しいトラウマとして自分に残っている。大逆転されたほうは、相手に大きな自信を与えてしまうのだ。
　テレビを見ながら、あの悪夢がよみがえったゲームでもあった。