第402話 乾坤一擲

文字数 435文字

 棋聖戦第三局を見た。乾坤一擲という言葉にぴったりの9七銀の一手によって勝負がついた。指されてみるとなるほどと思うけれど、この一手を解説の飯島八段は、神がかった手と評した。
 終始じりじりとした展開で、AIの優勢分析もコロコロと変わる。実際に見ていてどちらが優勢なのかわからない。Abema解説者、飯島八段と戸辺誠七段の解説がまことに怪しい。棋界の最強に近い二人の対戦だから仕方がないことではあるが、あまりにもAIにたよりすぎる解説は楽しくない。



 それにしても、対局中に何度も出てきた千日手の予想には驚くと同時に、二人が如何におたがいを研究しているかを知らされることになった。AIはこの9七銀の一手は予想していた。なるほどのAIではある。飛車のタダ取りの裏にこんな手があったのだ。お互いを知り尽くした二人の対決が、これでフルセットで見れる可能性も出てきた。ファンにとってはたまらない嬉しいことだ。

 小雨の中、頼光寺にアジサイを見に出かけた。平日なのに、結構な人手であった。


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