第584話 人生を振りかえる

文字数 510文字

 人は高齢になったり、不治の病におちいった時、今までの人生を振り返り、自分の人生がこれで良かったのか、自分は何のために生まれてきたのかなどと考えるようになる。
 そんな時の思考の参考になるものとして本の役目は大きい。先日、久坂部羊の書いた「悪医」と言う本にめぐりあった。彼は阪大医学部出身の医師であり、在宅医療に従事した事のある作家だ。この小説は、癌に侵された患者の精神的な側面をリアルに描いており、読みごたえのある本だった。その中に、自分の心に響いた文章があったのでいくつかを紹介したいと思う。



・これまで自分はずっと、人生には意味が必要だと思ってきた。裏を返せば、意味のない人生は価値がないと決めつけてきた。なんという傲慢な考え方をしてきたのだろう。度し難いエリート主義だろう。
・人生の意味など考えているひまもないほど懸命に生きている人もいる。(もって生まれたからだのハンデを背負った人や、不治に病を持って生まれてきた人もいる)
・人生に意味を求めすぎて苦しむ人もいる。自分が勝手に決め付けているだけじゃないか。

 自分にとってもなかなか参考になる本だった。要は自分が人生にどう思うか、どういう立場で生きるかの問題なのだが。
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