第587話 名人戦第二局
文字数 481文字
名人戦第二局を見た。渡辺は藤井に対してトラウマとまでとは行かないけれど、かなり強い苦手意識を持っているようだ。今までの対戦成績がそれを物語っている。肝心なところで好手が見つけ出せない。藤井の攻撃に、意識過剰になってビビッテいるようにさえ見える。将棋という勝負は、一手で勝敗が逆転する。
終盤の藤井の73手目の藤井の歩で勝負が逆転した。この手を藤井は静かに温存していたように思う。なかなか打てない好手だと思う。終盤を迎えるまでの展開は、渡辺が圧倒的にリードしていた。決め手があれば渡辺が勝利していたはずだ。その手を感想戦で藤井に指摘され驚いていたようだ。それは、56手目の3五桂打ちだ。それを渡辺が気づくと藤井は思っていた。だから、それを思わせるように藤井はいつもの癖で、がっくりとうなだれる様子を見せていた。しかしそれに渡辺は気づかない。
藤井に逆転勝ちを許し、渡辺は名人位陥落の瀬戸際に追い込まれそうになってきた。余ほどの気持ちの切り替えがない限りこのまま名人が藤井に持っていかれてしまいそうだ。渡辺の残っている手段はただ一つ、それはある種の「覚悟」だろう。
終盤の藤井の73手目の藤井の歩で勝負が逆転した。この手を藤井は静かに温存していたように思う。なかなか打てない好手だと思う。終盤を迎えるまでの展開は、渡辺が圧倒的にリードしていた。決め手があれば渡辺が勝利していたはずだ。その手を感想戦で藤井に指摘され驚いていたようだ。それは、56手目の3五桂打ちだ。それを渡辺が気づくと藤井は思っていた。だから、それを思わせるように藤井はいつもの癖で、がっくりとうなだれる様子を見せていた。しかしそれに渡辺は気づかない。
藤井に逆転勝ちを許し、渡辺は名人位陥落の瀬戸際に追い込まれそうになってきた。余ほどの気持ちの切り替えがない限りこのまま名人が藤井に持っていかれてしまいそうだ。渡辺の残っている手段はただ一つ、それはある種の「覚悟」だろう。