第610話 人生の答え

文字数 389文字

 人生の何たるかを知らないまま人生を終えるのが当然のことだと思えるようになってきた。必死にあるいは時の流れとともにその答え探しをしたこともあった。しかし、答えなど元来が無いものだと気づかされるようになってきた。答えを無理矢理にでも求めようとするなら、それはある種その人の自己満足の世界かも知れない。言わば人それぞれなのだ。逆に言うと答えがないから面白い、生きていられるのだろう。



 大きく言えば、人類の究極の目標、世界の平和への希求と同じことなのかもしれない。この混迷の世の中を見ているとつくづく感じることでもある。オリンピックはそのために作られたものであるという。しかし、今では世界の国々の政治争いや国力の争い、はたまた権益争い、商売の道具になりはててしまっている。平和の祭典であるはずのものが、人間の欲望の溜まり場のように見える。何とも個人の世界と人類の世界は相似形のようだ。



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