第176話 竜王戦第三局

文字数 498文字

 竜王戦の第三局が藤井の圧勝で終わり、豊島竜王は三連敗でカド番に立たされた。これまでの三局、全てに豊島が見事に藤井に抑え込まれている。こんな豊島を見るのは想像できなかったし、彼特有の強さや粘り強さがまったく発揮できないでいる。
  豊島を苦手としていた藤井が、逆に豊島をカモにしてしまっているのだ。藤井が急速な成長し、強くなったということなのか。もし、第四局もこの調子で豊島が破れてしまったら、彼のショックは相当大きなものになるだろう。続けて藤井に自分の持つタイトルが奪われることになるのだから。今回の竜王位は、棋界最上位のタイトルだけに、何とか死守したいとは思っているはずだ。
 ただ、見ているほうからすると、ハラハラするようなどちらが勝ってもおかしくないような勝負をファンは見たいと思っている。そういう意味ではあまりにも期待外れなのだ。豊島頑張れとエールを送りたくなる。

 同じ日曜の朝に、事前収録のNHK杯で藤井が深浦に完敗していた。あまりの悔しさからだろうか、テレビの前で彼が将棋盤の上に覆いかぶさる姿はこれまでに見たことのない姿だった。藤井も完璧ではない。豊島の土俵際からの奮起を期待しよう。



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