第156話 駒村多江

文字数 607文字

 駒村多江という人はNHKのアナウンサーで、こころ旅(BSの火野正平の自転車旅)の案内役だと簡単に思っていた。年もだいたい30過ぎで、当然主人もいるものだと。でも、まったく違っていた。人はホントに見かけによらないのだ。 
 勝手な思い込みで人を判断しての大間違いや、知らずのうちに人を傷つけているのかもしれない。テレビから得られる情報だけでその人を色眼鏡で見ることは、よほど注意しないといけないと思う。
 彼女は47歳、元アイドル歌手で、その後にアメリカに留学、レポーター・キャスターに転身、そして独身で、今は認知症の母親を介護しているとか。見た目のイメージとは全く違うのだ。人は外見では分からぬ。特に、女性は。なかなかの苦労人なのだ。あの溌溂とした雰囲気からは想像もできない。所属はあの関口宏の運営する三桂。
 どんどんネット検索で深読みすると、まったくすごい女性なのだ。NHKの「あさいち」のサブキャスター、介護福祉士、介護食士3級、環境カウンセラー、ピアノも弾け、当然英語もできる。アイドル時代には、サックスを吹いて宮本亜門をゲストに迎えてディナーショーまでやっているのだ。


 人は表に出る顔とその裏に隠されている別の面を見なければならないのだとつくづく思ってしまう。昨日に聞いた柳家小三治さんのインタビューで、彼が人間国宝までに上り詰めた背景を語っていた。それは、ただ一点、父親、母親に対する<反骨心>だったとか。



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