第431話 王位戦第二局観戦記

文字数 478文字

 王位戦第二局を見た。今回は藤井が先手番、その優位性を活かして第一局のお返しをした。藤井の47手目の1五歩の仕掛けは、前回の豊島の45手目の2四桂と同じ意味合いの手だった。「今日は、これで勝負だ!」と相手に伝えたのだ。それを理解した豊島は、ここで2時間55分の大長考。ここではっきりと相手の意思を受け止めている。プロとはほんとに凄いものなのだ。
 そのあとは、藤井が一方的に攻め続け82手目の7六歩までじっと我慢を豊島は強いられた。その時点で、AIは80%対20%で藤井有利。もし、自分がこの時点で仮に藤井と替ることが出来たとしたら、赤子の手をひねるように簡単に豊島に逆転される。


   宮島にて

 プロのアマも同じ能力の駒を持ち、同じ81升の将棋盤を使っているのにだ。なぜにこんなにも違うのだろう。大昔、中学の時に野球部に入っていたころのことを思い出した。バッターボックスで、同級生のエースの球を見て恐怖心で震え上がったことがある。何故こうも同じ人間で差があるのだろうかと。大谷の球は絶対にバッターボックスで見ることはできない。その通過すら確認できないだろう。


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