第90話 嫁さんとのこと
文字数 621文字
はるか昔に出会い、そして結婚、今も何とか続いている、嫁さんとのことを書きたいと思う。
嫁とは、ゴルフの商売を覚えるために入った会社で出会った。北浜の古い事務所ビルの同じフロアーにお互いの会社があった。だから、日常に顔を見かけることは普通のことだった。最初の印象は何か落ち着いて見え、こんな人が自分の嫁であればいいなあという、何の根拠もない思いを抱いた。好きとかの恋愛感情はあまりなかったと思う。
しかし、時の経過とともに、なんだか付き合ってみたいなあという気持ちが増していった。ある時、二人が同じエレベーターに乗り合わせ、「結婚しているの」と声をかけてみた。「いえ、いえ、そんな何も、していません」というような返事。「あんまり落ち着いて見えるから結婚しているのかと思った」とたわいない会話が初めてだった。いわゆる嫁にしたいタイプの女性であったので、自然にというか単刀直入に、聞いておくべきことを口に出してしまったのだろう。
そして、しばらくしてデートに誘ってみたらOKだった。淀屋橋の喫茶店で待ち合わせをしたが、来るかどうか不安だったことを覚えている。二回目のデートまではスムーズだったが、三回目までは時間がかかった。彼女なりの迷いや何かを考えていたのだろう。三回目が決まった時、これははっきりと言わなければと思った。結婚前提で考えているという意思をはっきりと伝えた。だから、三回のデートで決めるという、今では考えられない結婚の約束だった。
嫁とは、ゴルフの商売を覚えるために入った会社で出会った。北浜の古い事務所ビルの同じフロアーにお互いの会社があった。だから、日常に顔を見かけることは普通のことだった。最初の印象は何か落ち着いて見え、こんな人が自分の嫁であればいいなあという、何の根拠もない思いを抱いた。好きとかの恋愛感情はあまりなかったと思う。
しかし、時の経過とともに、なんだか付き合ってみたいなあという気持ちが増していった。ある時、二人が同じエレベーターに乗り合わせ、「結婚しているの」と声をかけてみた。「いえ、いえ、そんな何も、していません」というような返事。「あんまり落ち着いて見えるから結婚しているのかと思った」とたわいない会話が初めてだった。いわゆる嫁にしたいタイプの女性であったので、自然にというか単刀直入に、聞いておくべきことを口に出してしまったのだろう。
そして、しばらくしてデートに誘ってみたらOKだった。淀屋橋の喫茶店で待ち合わせをしたが、来るかどうか不安だったことを覚えている。二回目のデートまではスムーズだったが、三回目までは時間がかかった。彼女なりの迷いや何かを考えていたのだろう。三回目が決まった時、これははっきりと言わなければと思った。結婚前提で考えているという意思をはっきりと伝えた。だから、三回のデートで決めるという、今では考えられない結婚の約束だった。