第229話 「レバノンからのSOS」

文字数 533文字

 「レバノンからのSOS」というザ・ベストテレビのドキュメントを引き続き見た。コロナ禍、追いつめられたシリア難民という副題がついている。その内容はまともに、冷静に見ていられるようなものではなかった。

 内戦からレバノンに逃亡したシリア難民の実態が、これほどまで過酷、悲惨なものであるとは想像もつかないものだった。生き延びるための臓器売買、売春、それにレバノン側からの差別、暴力、コロナによる失職など家庭内暴力や自殺に追い込まれる実写は迫力あるものだった。
 世界のどこかでこういう悲惨な状況が続いているということを理解させてくれるという点では、ニュースや話で見聞きするよりはより鮮明に伝えてくれたような気がする。紛争や迫害により故郷を追われている人は、8000万人と言われている。難民の話は尽きることがないのが世界の現実だ。

 ただ、残念なことだがこれだけの撮影が許される裏には、<金と引き換えなら>という条件があるだろうと推察されるからだ。綺麗ごとで済まされるような状況ではない。彼らにとっては、命イコールお金だと思うからだ。もう、失うものが何もない状況だからこそ、そう思えてしまう。あまりにも実態が悲劇的であるだけに、そう感じてしまうのは自分だけの思いすごしだろうか。



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