第93話 歯医者

文字数 424文字

 歯医者へ行くというのはいくつになっても嫌なことだ。先日来、歯の調子が悪く、いやだけれど行かざるを得ないなあと思っていた。ところがよくしたもので、二日前に治療を受けていたところの詰め物が外れてしまった。もう行くしかない状況に突入。近場の家内の行くところに電話してみると、二週間後の予約という。緊急対応はやっていませんよという態度が電話口から伝わってくる。
 仕方なく前回に行っていた(といっても3,4年前だと思う)ところに電話。事情を伝えたら、「今日でも来れますか?」の、これしかない天使のような言葉が返ってくるではないか。これこそ顧客を大事にする態度だ。早速時間を予約して直行。「ごぶさたしてます。どうされました?」の先生の優しい言葉に嬉しさがこみあげる。
 何といっても歯の調子が悪いというのは、旨いものが食えなくなるという、老年にとっての生死と変わらぬ重大事などだ。先生にお任せして、この際しっかりと治療しよう。
 少しぐらい痛いのは我慢できそうだ



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