佐野眞一が殺したジャーナリズム (2014/1/16)

文字数 681文字

2013年5月 第一版
宝島社
著者:溝口敦、荒井香織



こんな告発本が出ていることを知らなかった。
僕が好んでノン・フィクションを読むようになったのも
佐野さんの「東電OL殺人事件」からだった。
彼のノンフィクション作品はずば抜けて面白かった。

「カリスマ」、「旅する巨人」、「渋沢家三代」、「巨怪伝」、「大往生の島」、
「誰が本を殺すのか」、「小泉純一郎、血脈の王朝」、「阿片王 満州の夜と霧」、
「甘粕正彦 乱心の荒野」、「沖縄 誰にも書かれたくなかった戦後史」、
「鳩山一族その金脈と血脈」。「誰も書けなかった石原慎太郎」、
「津波と原発 ルポ東日本大震災」、「あんぽん 孫正義伝」、
「別海から来た女」・・・・・。

センセーショナルと言えばその通り、他人の秘密を盗み見るような快感もそこにはある。
権力の内情を調査して面白おかしくルポするだけのことかもしれない。
そのトップ屋として頂点に立った佐野さんが、「橋元知事問題」でこけた。
その機会に乗じて佐野さんの過去の盗作、剽窃癖をツイートしたのが
かの猪瀬元知事(当時は副知事)だった。
盗作されたジャーナリストが出版したのが本作だ。
昨年末の「猪瀬知事の醜聞」を知る身には、どこかレベルの低い喧嘩のようにも思える。

とりあえず読んでみた。
さすが盗作された本人の憤りは正統である。
こと細かく正誤表のように、盗作部分を対比して、きめ細かい告発になっている。
しかし、僕のお気に入りの作品は盗作対比表には載っていない。
僕としては盗作問題に具体的に触発されることもなかった。

で、最新作「僕の島は戦場だった、封印された沖縄戦の記憶」をアマゾンに発注した。
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