許されざる者 (2019/1/27)

文字数 588文字

2018年2月16日 初版
著者:レイフ・CW・ペーション  訳:久山葉子
創元推理文庫



ジェフリー・ディーヴァーの「ボーンコレクター」のライム捜査官、TVドラマ「鬼警部アイアンサイド」のアイアンサイド警部を思い出した。
いまミステリーの先進国スウェーデンにおいて重鎮と称せられているペーションの初めての邦訳作品、ミステリー賞5冠の曰く付き作品だ。

スウェーデンミステリーにありがちな、モチーフ設定模倣は冒頭に述べたとおりだけど、内容は上質のポリスストーリー、息つく暇なしの一気読みになった。
退職している高級警察官が心臓病のため倒れ、半身不随の身になりながらすでに時効になった事件を解決するというのが大きな流れになっている。
事件は変質者による幼女レイプ殺人、時効になっているのにもかかわらず犯人を捜査するいきさつ、捜査をサポートしてくれる友人や情報提供者、頭脳明晰な主人公警官の捜査手法、その主人公を取り巻く家族との交流、などなど盛りだくさん。

ミステリーの結末を説明するほど野暮ではないが、事件捜査の真髄をそしてミステリーの妙を堪能することができた。
移民政策先進国の悩み、富の格差・・・などなどスウェーデンミステリーお決まりの社会問題もきちんと提起されている、
だからこそ、苦みの強い読後感すら心地よく受け入れることができる。
繰り返しになるが、ミステリー大国スウェーデンを実感させられた。
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