火星の人 (2014/12/22)

文字数 858文字

2014年8月25日発行、10月25日三刷
著者:アンディ・ウィアー  訳:小野田和子
ハヤカワ文庫



この最新ハード宇宙SFが今ブームになっている。
2009年作者が自分のウェブサイトで1章ずつ発表していたのが話題となり、
アマゾンキンドルに最低価格99セントで公開。
それが3カ月で3万5千ダウンロードされるに至って、
2013年には大手出版社からオファーがあってハードカヴァーで出版。
その勢いは止まらず2013年3月には20世紀フォックスが映画化を決めた。

火星探索隊のひとりが事故で(死亡したと思われて)一人取り残される。
この青年の火星でのサバイバルを真正面から描くのが読む者に感銘を呼び起こす。
主人公のブログによる一人称のサバイバルとアクシデントの数々は、
アメリカらしいユーモアと不屈のスピリットに満ちている。
一方では彼を救出しようとする世界の英知がもどかしさの中でプロの働きを発揮していく。
NASAを中心としたアメリカ宇宙業界のオールスターゲームと、
たった一人で生き抜こうとするダイ・ハードゲームのコントラストが際立っている。
現実にはここまで、資金と命を懸けてまで一人の隊員を救う必要があるのかという疑問があるものの、この物語は「救出」が前提になっている。

ふと気がつくと、なにやら「宇宙オタク」になりそうな自分に驚いている。
実は登場人物は意外と多い、映画化をするならこのキャスティングをお奨めしたい
(独断と偏見であることは言うまでもないが):

主人公隊員:ザック・エフロン
隊長:サンドラ・ブロック
隊員(IT担当):ミシェル・モナハン
隊員(医療担当);マシューマコノヒー
隊員(化学担当):ジュージ・クルーニー
隊員(操縦士);ハビエル・バルデム
火星ミッション責任者:ショーン・ペーン
JPL(ジェット推進研究所)責任者:トミー・リ・ジョーンズ
フライトディレクター:ジョン・キューザック
NASA長官:トム・ハンクス
NASA広報責任者:ジョディ・フォスター

・・・というくらい人物が興味深く描かれている、宇宙オタクだとは思えない実力だ。
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