僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2  (2021/10/3)

文字数 993文字

2021年9月15日 発行 
著者:ブレイディみかこ
新潮社



図書の続編はシネマとは違って期待するところが多くて実際それが裏切られることもない。
本書も「2」がついているとおりの続編であり、著者の一人息子を主人公にしたエッセイであるから、子供が13歳になった成長を見る続編として、どこから見ても変なところはない。
ただし、英国住まいではあるが熟達の書き手である著者が息子の成長を書き留めたエッセイ、僕はノンフィクションとは100%言えないのだろうという印象を前作から感じたものだ。
というほどに、子供の心の中が感動的に伝わってくる作風は続編でもいささかも衰えることなく、子供の成長に伴ってもはや微笑ましいという状態から「ご立派」という尊敬の念nにまで進化している、イエローな人種問題もさることながらブルーな英国の現状を生き抜く若い世代を頼もしくレポートしてくれる、今回も僕は一気に読ませていただき、いっぱい感激した。
登場人物は主人公の「息子」、著者である「母ちゃん」、その連れ合いの「配偶者」がレギュラーメンバー、主に三人の日常生活(学校活動)がエッセイの舞台になっている。
夏休み帰国編では準レギュラーの「福岡のじいちゃん」が絵にかいたような昭和の爺さんを演じて泣かせてくれる。
短編連作11篇から構成され、子供目線の世情を著者が僕に伝えてくれる、(当然かあちゃん脚色はあるはずだけど)。
11篇にはそれぞれに選ばれたテーマとその解答のようなものが「落ち」として語られるという仕組みは変わっていない。
●リサイクル・・・・マクロに傾き過ぎてもパサパサになり、ミクロに傾き過ぎても中二病になる。
●人種問題・・・・あの子はみんなの中の一人。
●ノンバイナリー・・・・どっちにも属さないことって普通。
●リーダーとは・・・・前から引っ張るだけではなく後ろから押し上げる人。
●知らない世界・・・・資格のための勉強だけじゃない。
●日本の変化・・・・どんな人種同士でも心は通じる。
●変わる・・・・人も家も街も変わる、それはもう止まらない。
●社会を信じる・・・・ホームレスシェルターを容認できない利己。
●民主的選挙・・・・まず議論をしないと。
●成長する息子・・・・親は見守るだけ。
●ライフ・・・・後悔する日も会ったり、しない日もあったり。

本作は2019年のお話、できることなら新型コロナ蔓延の2020年編もできるといいな。
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