442連隊戦闘団 (2013/12/11)

文字数 634文字

1979年初版
著者:矢野徹
角川文庫



サブタイトルが「進め!日系二世部隊」。
ハワイでの静養中の還暦文庫にふさわしいものはないかな?と探して本作を持ってきた。
「GO FOR BROKE(破れかぶれで 突っ込め!)」 で有名な
ハワイ日系2世部隊、第百大隊が所属していた日系二世部隊442連隊の
セミドキュメンタリー小説である。

宿泊しているホテルのすぐそばには黒田メモリアルパークなど
第百大隊にまつわる記念が数多く残されているホノルル。
今日本人観光客が胸を張ってハワイの地を訪れることができるのも、
彼ら第百大隊の献身のおかげだ。
かれら第百大隊の兵士たちは、太平洋戦争勃発時にアメリカ市民としての
アイデンティティを疑われ軍務から外された。
もっと悲惨だったのはアメリカ本土(主にカリフォルニア)の日系アメリカ人、
財産を没収され収容所に入れられた。

多くの二世たちは自分たちの(日系アメリカ人)の誇りを証明するために
過酷な軍務に敢えて挑戦した。
本作品はその歴史をルポする形式で再現し、かつ生き残った兵士たちの証言で編集されている。

442連隊、第百大隊の猛勇ぶりはフランスでのテキサス大隊救出のため
大隊の97%死傷者を出しながらその任務を成し遂げたことである。
この武勲により日系アメリカ人は確たる信頼を得ることになり、
今に至って日本人の高い評価の一つの実証となっている。
「死」でしか忠誠を証明できない悲劇、そしてそれを実証した日系アメリカ人たち、
今僕らが思い出さなければいけないことは多い。

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