TOKYO BKLACKOUT (2015/1/31)

文字数 505文字

2011年8月12日 初版
著者:福田和代
創元推理文庫



若杉冽さんの「東京ブラックアウト」をチェックしていた時、
「TOKYO BLACKOUT」という裏本のような小説を知ることになった。
もっともこちらは2008年に発刊され(2011年文庫化)ているので、元本はこちらだろう。

ミステリーサスペンスに基本を置いた純粋なエンターテイメントだが、2011・3・11に先立ち、
輪番停電をストーリーのコアにしたりで電力業界の「陽」の部分を描いている。
停電の原因は送電鉄塔破壊、送電システムハッキングなど、いわゆるテロ。
電力会社の中枢である中央給電指令所スタッフ、警視庁・警察庁合同捜査陣がこのテロ犯人に立ち向かうが、この犯人グループが手強い。

犯行の頭脳と凶行担当がそれぞれの得意技術を駆使して、東京を3日間に及ぶ停電に追い詰める。
実際、東日本大震災による原発事故のため(原発停止という名目で)輪番停電の不便をまともにくらった僕には、本作緊迫感はフィクションを超えるものだった。

ただし、犯人側の犯行動機がどうしても現実離れしていた、というか甘いプロットだったため、
ミステリーとしての楽しみはさほどのものではなかった、残念だった。
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