マルティン・ベック シリーズ 【バルコニーの男】(2013/9/17) 

文字数 442文字

1970年発表、1975年角川文庫第8版
著者:マイ・シュベール&ペール・ヴァール
訳:高見浩



還暦文庫の大目玉である「マルティン・ベックシリーズ」に手を付ける。
当時の僕の、恐慌、陶酔、信奉の合混ざったパニックが思い出された。
このシリーズはマイとペールの夫婦で書かれている。
舞台はスウェーデン、ストックホルム警視庁殺人課警部マルチン・ベックと
その仲間たちのポリスストーリーである。
ペールの死まで10作品が書かれている、つまり限定10本のみ。

本作はシリーズ第3作だが、日本でのデビュー作、
卓越したストーリーテラーのシリーズ中でも異色な展開となっている。
ストックホルムで少女猟奇殺人が連続するが手掛かりがない。
唯一の目撃者が路上強盗。
この行き詰った捜査活動を詳しく、しかし読み手の関心をぐいぐいとひきつけたまま
事件解決に導く手法がシリーズを代表するものだ。
そこでこの作品が日本でのトップバッターとなった。
40年前の作品とは思えない緊迫感に、
今再び僕は「マルティン・ベック症候群」に陥ってしまう。
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