路 (ルウ) (2015/7/24)

文字数 498文字

2015 年5月10日 文庫第1刷 (2012年11月 単行本)
著者: 吉田修一
文春文庫



台湾に日本の新幹線を走らせた人たちと彼らを取り巻く台湾人・日本人を感動で描く物語。
特定の場所を愛情込めて描くと、その地に行ってみたくなる吉田修一物語に、わかっていながら またまたはまる。
運命のような男女の出会いを嘘だと思わせながら、最後にはきっとフィクションではないと思わせる吉田修一物語にまたまた心が温かくなる。
時折このような甘くてとろけそうな物語にどっぷりとつかることは健康にも良い、たぶん。

登場人物は、台湾での新幹線工事を受注した日本商社の女性社員、
そして彼女が学生時代1日だけ台湾旅行の途中に出会った台湾人男性、
この二人を中心にお話は展開する。
台湾人と日本人の友情が大きなテーマになっている。
新幹線で働くために勉強する若い台湾人男性の恋愛、台湾生まれの老いた日本人の郷愁と後悔などなど
・・・主人公を取り巻くエピソードの数々が、新幹線開通に向けて集束する。
よくある群像物語だが、吉田修一マジックにかかれば珠玉の趣を醸し出すのを、
またまた思い知った。
台湾にもう一度行ってみたいな・・・と、やっぱり思った。
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