緊急の場合は (2013/6/5)

文字数 593文字

1977年初版
著者:ジェフリー・ハドソン
ハヤカワ・ミステリー文庫  



1968年アメリカで発表され1969年アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞(エドーガー賞)
受賞作品。
別名をマイクル・クラントン、
小説家、SF作家、映画監督、脚本家、などの肩書きを有する天才(だと思う)。
「アンドロメダ病原菌」「ジュラシックパーク」「ER」などで日本ではお馴染みだ。
本作は、自身がハーバード大学医学部卒業後のインターン、レジデント時代に
書いた処女作品だ。
なんと45年前のボストン医学界のスキャンダルをミステリー仕立てで描きながら、
医学が直面する問題を炙り出している。
その問題点は実は今の時代においても新しい問題でもあり、
医学技術の飛躍的進歩の陰でくすぶり続けている。
曰く、
医師たちの閉鎖的固定世界観、その一方での若き医師たちの献身、剖検の重要性、
科学の進歩に追いつけないベテラン医師、など。
主人公の病理医師が親友の産婦人科医の堕胎告訴に対して真実を探る
素人探偵スト-リーになっている。
医学用語が多用されているが気にならない、逆に知識欲を刺激してくれる。
そう、これは「ER」の原点です。

今読み返しても時代の差をまるで感じない、天才たる所以である。
訳が清水俊二さん、映画字幕で有名だった方だ。
マーセデス、とかマーテニなんてのが映画的でうれしくなった
・・・・ちなみに日本語にすると「メルセデス」と「マティーニ」。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み