レッド・ライジング 火星の簒奪者 (2015/4/2)

文字数 661文字

2015年2月25日発行
著者:ピアース・ブラウン
ハヤカワ文庫



本作も「火星」を舞台にしたSF小説。
「火星の人」を超える支持を獲得しているとも、
ユニバーサル・ピクチャーズ映画化決定とも聞く。
いずれにしろアメリカ新人作家の活躍が目覚ましいことは確かだろう。

本作はシリーズ三部作の第1作、
しかし草稿だけで出版契約を結んだというから期待できる才能なのだろう。
人類の新天地となった「火星」の築かれた厳格な階級世界、その階級を打破する最下級出身の若者の冒険がメインプロットになっている。
最下級の「レッド」が最上位の「ゴールド」の一員になりテロではなく内部から火星社会を改革するという、見事なアンチ格差社会物語。
「火星の人」にも感じられたが、目標を定めてその達成のために何を為すべきか? 
リスク回避対応は?・・・などなど「ゲーム」要素が大きい。

本作は、ゲーム感覚に加えて各種のエンタテイメントエッセンスが盛り込まれている。
それは、「ハンガーゲーム」、「エンダーのゲーム」、「ハリー・ポッター」に使用された設定だと解説にあるが、僕はそれ以上に「バトル・ロワイヤル」、「インファナル・アフェア」などの東洋的無常感を感じていた。

第1作では、レッドからゴールドに肉体、頭脳を改造し、支配層ゴールドの頂点を混ざすエリート選抜試験に挑む主人公。
そこは荒野の中で、生徒たちが知恵と体力と根性で生き残るサバイバルレースだった。
ひとり身分を隠してエリート階級に食い込み、覇権奪取の道を這い登る主人公。
格差からのストレス、現実の鬱積解消にぴったりだ、確かに。
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