日本劣化論 (2014/8/9)

文字数 735文字

2014年7月10日 第1刷
討論:笠井潔 / 白井聡
ちくま新書



若き知のリーダー白井さんの「永続敗戦論」がとても明快だったので、
こちらの新刊もフォローしてみた。
AMAZON社のレビュ―では全くの不評だったので余計に興味が募ったのも事実だ。
レビュー曰く、ニヒリズム、アナーキーな勝手な言い分…云々。

世の中がナショナリズムにまっしぐらな日本では、アナーキーしかその対抗点はないだろう。
何せ、僕の根拠とするリベラル陣営がことごとく討ち死にしてしまった今、
世の中に流されないようにするにはこのような麻酔が必要だ
66歳の古だぬき左翼笠井さんと僕の子供たちの年代の37歳の白井さんの討論は、
まるで親から子への伝承と、子から親への挑戦のように面白い。
各章のタイトルをご紹介すると;
(1)日本の保守はいかに劣化しているのか
(2)日本の砦 アメリカと天皇
(3)アジアで孤立する日本
(4)右と左がどちらも軟弱になる理由
(5)反知性主義の源流
(6)独立という思想へ
お二人の思想は本当に意表を突く、納得することばかりだが、
なかでも次の天皇に関するコメントはまさに「目から鱗・・・」だった。
―昭和天皇はマッカーサー元帥を征夷大将軍に任ぜられた 
―昭和天皇のマッカーサー元帥邸への行幸は、そしてあの有名な写真はそう考えれば納得できる
―安倍政治に抵抗し、戦後民主主義をぎりぎり押しとどめている二大パワーはオバマ大統領とアキヒト天皇だという笑えない事実。
そのほかに、
「安倍政権の積極的平和主義の真相」
「日中衝突の最悪のケース」
「このままだとアメリカに見捨てられる」
「【戦後】に安住したリベラルの末路」
「被害者を代弁したがる知識人」
「資本も国家も息絶え絶え」
無駄のない言葉の応酬は一つの美学なのだと感じた。
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