続・100年予測 (204/10/28)

文字数 646文字

2014年9月25日発行
著者:ジョージ・フリードマン
ハヤカワノンフィクション文庫



衝撃的だった「100年予測」の続編というより「詳細編」、
原題も「次の10年 (2011~2020)」という大胆な予測が詰め込まれている。
冒頭に日本版刊行に寄せて「東日本大震災」をテーマにした日本の予測が掲げられている。
日本の変革を「地震型」と象徴している。
他の国と異なり、圧力に耐え難きを耐える力を持っているが、臨界に達すると劇的な変化を遂げると予測している。
今回の地震で、エネルギー戦略の脆弱さを思い知った日本、アメリカの中東戦略によるエネルギー危機、日本がどのような政治選択をするかが注目されている。

とはいえ、フリードマンの予測は、あくまでもアメリカ合衆国への提言、
それも大統領にとって必要な「占い」にフォーカスされているのは「10年予測」だからだろう。
ロシアの脅威、そこに付随するドイツとロシア同盟への妨害、イランとの劇的和解のメリット、イスラエルとの疎遠・・・
などなどはオバマとそのあとの大統領へのアドバイスである。
歴代の優れた大統領として、リンカーン、フランクリン・ルーズベルト、レーガンを挙げてその「マキャヴェリ資質」を指摘する。
アメリカは意図する方向とは違って、帝国になってしまった。
そうなってしまった以上、帝国のリーダーたるものはマキャヴェリに習えという、
温故知新である。
そして、日本はそのアメリカの影響下でしか国家の安全保障ができないことを、
どこまで我慢できるか?
下手な小説より、格段に面白い。
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