ヨーロッパ・コ―リング地べたからのポリティカル・レポート (2016/10/9)

文字数 782文字

2016年6月22日 第1刷発行 、7月15日 第2刷発行
著者:ブレイディみかこ
岩波書店



20年間英国(ブライトン)在住の保育士であり作家である著者のWEBニュースをまとめた一冊。
地べた(グラスルーツ)からの視線で英国の政治の変動を考察した貴重なレポートになっている。
今の英国は、EUとともにその変化が急激なため、本書も賞味期限がとても短いものであることが気がかりだが、一読をお奨めしたい。

以下で、ブレイディみかこ ご本人による本書のアジ文をご紹介したい:

『 欧州に新たな風が吹いている。それはEUによる緊縮財政の強制に「NO」を叩き付けたギリシャの市民一揆に始まり、英国では「時代遅れのマルクス主義の爺さん」と笑われたジェレミー・コービンが労働党党首になり、
スペインでは市民運動から生まれたポデモスが結党2年目で第三政党に躍り出た。
独立投票で世界を騒がせたSNP(スコットランド独立党)も、ナショナリストと呼ばれるわりには政策は社会民主主義である。
難民問題で右傾化していると言われる欧州では、実のところ左派が猛烈な勢いで台頭している。
それは「与党も野党も大差なし」と醒めていた人々に、いまとは違う道は存在することを示す政治家たちが登場したからだ。
彼らは、勝てる左派だ。
勝てない理由を真摯に受け止め、あらためて、負けるというお馴染みの場所でまどろむことを拒否した左派だ。
この欧州に吹く風が、地球の反対側にも届くことを祈りながら、本書をぶち投げたい。』

そして、印象に残るフレーズを少しだけ;
●欧州には新しい風が吹いている。・・・この風はこれまで吹いたことがない風だ。
●どこの国も、一番クライシスを実感していないのは政権を握っている人々のようだ。
●地べたからみると、グローバリズムとは労働するものを舐めくさった経済である。
●新聞は、真摯であれば千々に乱れたっていいのだ。
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