眠れぬイヴのために (2013/7/8)

文字数 696文字

1986年初版
著者:ジェフリー・ディーヴァー
早川書房



「還暦文庫」でも「お気に入り作家新作」でもないのが「買い置きミステリー名作」。
まだ若干部数残っている。
ジェフリー・ディーヴァー作品といえば「ドンデン返しサスペンス」として読者の期待をラストページまで引っ張り続けてくれる

本作品は1994年【リンカーン・ライムシリーズ】以前のディーヴァー初期のノンシリーズもの。
ありがたいイメージが定着している。
州立精神病院から逃亡した凶暴な患者が、過去の裁判での証人である女性に会いに行こうとする一夜、たった一夜を描いたサスペンス小説だ。
この一夜には稀にみる強大な嵐が荒れ狂うという至れり尽くせりの舞台設定あり、
多彩な登場人物の競演ありで、たった一夜のサスペンスを退屈させることなく、
読み手をキリキリ舞させてくれる。
まず、襲われる女性、その夫、たまたまNYからやってきた帰省中の妹、彼ら三人には忌わしい過去、秘めたる闇があるらしい。
病院長は「臭いものには蓋」の権化、主治医はただただ患者を研究の対象として救いたいがために単独で嵐の中ひとり捜索に向かう。
嵐のため患者捜索が手薄になった警察の補助として人狩りのプロとその愛犬が嵐の中出動する。
このプロはレイオフされた元警官、患者拘束にかけられた懸賞金が彼の第一義だった。
病院を逃亡し、女性の元に向かうまでのサスペンス&アクション、そして登場人物ん性格を炙り出すような過去のエピソードがフラッシュバックする。
そしてお約束の「ドンデン返し」が、ラストステージで怒涛のように襲う。
いやいや堪能、満足、
近作の【追撃の森】をスケールアップしたような大型スペクタクルだった。
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