四人組がいた。 (2014/9/9)

文字数 401文字

2014/8/10 第1刷発行
著者:高村薫
文芸春秋



宣伝文句が「高村薫 ユーモア小説に挑む」
・・・いくぶん腑に落ちないので早速手に取ってみた。
「オール読物」に連載した短編が12本、まとめて鑑賞すると、
そこはかと無い恐怖がしみ出てくる。
僕にはブラックユーモアを通り越したホラー作品集にも感じられた。
市町村合併で元村となった山奥の、元村長、元助役、郵便局長、
そして紅一点の婆さん4人組のシュールで辛口の老人パワー物語だった。

この山村では、老人は死ぬこともなく、動物たちと会話し、暇を持て余して騒動を期待し
それを煽動していく。
最初から、いつもの高村節とは違う語り口に硬さを感じながらも、結局は硬派な社会批判にたどり着いてしまう安心感がたまらない。
ふと思ったのは、もはや現実はフィクションを凌駕してしまったのではないかということ。
この老人パワーこそ、僕ら団塊世代の拠り所に違いない。
あと10年生きる力を頂戴した。
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