最強の地域医療 (2017/7/11)
文字数 762文字
2017年4月20日 初版第1刷発行
著者:村上智彦
ベスト新書
破綻した夕張市の医療再生で名を挙げた村上医師の遺作。
本作発行後、急性白血病で亡くなられた、本作は最後の力を振り絞って伝えたかった「医療と介護」の将来像だと受け取った。
実際、本書の書き出しの中に「・・・2015年12月11日北海道大学病院の12階にある病室の机の上だ書き始めた・・・」とある、壮絶だ。
ある書評にも記されていたが、それがゆえに文章はじめ論理的考察が乱れてくる後半部分は読んでいて哀しくなる。
編集者すら手を加える余裕がなかったのだろう、著者存命中の発刊のためには・・・そんな想像もしてしまう。
著者は、一貫して地域医療の現場にあって政治、医療体制そして最も敵対した何もしない一般庶民と闘い続けてきた、
とはご本人の言葉だ。
日本で世間に挑むということはすなわち孤立の戦いを強いられるということに他ならない、数々の逸話、スキャンダルもそういった状況から立ち上ったものに違いない。
本書のなかでも、痛烈に批判を浴びせかけている、
既存医療機関、マスコミ、補助金に甘んじる住民に。
彼が後継者に申し送ったことは、しかしながら、超高齢化社会日本の医療介護において大きな指針になるものだろう。
高齢者にいまさら高度な治療は必要ないこと、その代わりに死を受け入れやすい介護体制こそ望まれるということ。
キュアからケアへの発想は、まず当事者である高齢者とその家族の意識、価値観を変えることから始められる。
そのための具体的な方法、発想を死の直前まで発信していったことが、熱く伝わってくる。
その一番のポイントは、地域の住民自らが介護ビジネスを支え起業し、地域経済を回復させるということ、決してお上に任せてはいけないことだった。
あくまでも介護をビジネスとらえる視点、これが発想の原点だった。
著者:村上智彦
ベスト新書
破綻した夕張市の医療再生で名を挙げた村上医師の遺作。
本作発行後、急性白血病で亡くなられた、本作は最後の力を振り絞って伝えたかった「医療と介護」の将来像だと受け取った。
実際、本書の書き出しの中に「・・・2015年12月11日北海道大学病院の12階にある病室の机の上だ書き始めた・・・」とある、壮絶だ。
ある書評にも記されていたが、それがゆえに文章はじめ論理的考察が乱れてくる後半部分は読んでいて哀しくなる。
編集者すら手を加える余裕がなかったのだろう、著者存命中の発刊のためには・・・そんな想像もしてしまう。
著者は、一貫して地域医療の現場にあって政治、医療体制そして最も敵対した何もしない一般庶民と闘い続けてきた、
とはご本人の言葉だ。
日本で世間に挑むということはすなわち孤立の戦いを強いられるということに他ならない、数々の逸話、スキャンダルもそういった状況から立ち上ったものに違いない。
本書のなかでも、痛烈に批判を浴びせかけている、
既存医療機関、マスコミ、補助金に甘んじる住民に。
彼が後継者に申し送ったことは、しかしながら、超高齢化社会日本の医療介護において大きな指針になるものだろう。
高齢者にいまさら高度な治療は必要ないこと、その代わりに死を受け入れやすい介護体制こそ望まれるということ。
キュアからケアへの発想は、まず当事者である高齢者とその家族の意識、価値観を変えることから始められる。
そのための具体的な方法、発想を死の直前まで発信していったことが、熱く伝わってくる。
その一番のポイントは、地域の住民自らが介護ビジネスを支え起業し、地域経済を回復させるということ、決してお上に任せてはいけないことだった。
あくまでも介護をビジネスとらえる視点、これが発想の原点だった。