アイネクライネナハトムジーク (2019/8/7)

文字数 898文字

2014年9月25日 第1刷発行 2015年3月5日 第9刷発行
著者:伊坂幸太郎
幻冬舎



伊坂幸太郎さんの小説が好きですが、あまりの多作のためフォローできなくてついついホッタラカシにしたまま名作を逃します。
そんな時の気づきにはシネマ作品でしょう、伊坂さん原作のシネマは意外(失礼)と多数あります。
「陽気なギャングが地球を回す(2006年)」、「チルドレン(2006年)」、「アヒルと鴨のコインロッカー(2007年)」、「フィッシュストーリー(2009年)」、「重力ピエロ(2009年)」、「ラッシュライフ(2009年)」、「ゴールデンスランバー(2010年)」、「ポテチ(2010年)」、「オー、ファーザー(2014年)」、「グラスホッパー(2015年)」、「ゴールデンスランバー(2019年)」、そして本作「アイネクライネナハトムジーク」が今年9月に公開されると聞いた。

上記12作品の原作になるくらいですから、その分母たる総作品数も想像できます、多い、何かの強迫概念の様に伊坂さんは書き続ける。
その12作のなかで僕は8作品は読んでいます、それでも三分の二、当該の「アイネ・・・・」は未読でした。
さっそく読まさせていただくことにしました。

6編の中編で構成される連作のような物語構成になっている、必ずしも精密な時間構成や人物構成ではない、読み解くのも面倒だがこれも伊坂ワールド。
珍しく犯罪者も殺し屋も天才も登場しない、ほんわかとした温かみと奔放な人生という、一般人の 見果てぬ夢がそこに出現する。
親子、夫婦、友達、恋人たちのそれぞれの明暗が連作のなかに潜んでいて、途中ですい星のように交錯したり、衝突したり、融合する、これまた伊坂ワールドであろう、読み進むうちに僕の心の中にあった気付かなかった空白が埋められていくような感じで、心が満たされる。

例によって物語は仙台を主な舞台にしている、伊坂さんのこだわりには感服する。
僕の手元にはまだ未読の伊坂小説がまだ少し残っている、いつ読んでもいいくらいの軽さと爽やかさを知っているのでなかなか手がつかない。
今回のように映画になるという緊急事態でもなければ・・・。
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