拡張の世紀 テクノロジーによる破壊と創造 (2018/7/30)

文字数 1,275文字

2018年4月12日 第1刷発行、6月4日 第2刷発行
著者:ブレット・キング  訳:上野博
東洋経済新報社



2020年から2050年の近未来をフィンテック専門家著者が予想する形式で、医療、交通、金融、都市、教育の分野でのデジタルテクノロジーが引き起こす破壊と創造を垣間見せてくれる。
デジタルテクノロジーとは現存のモバイル、I to T、AI、ナノテクノロジーの進歩形、
もうすぐ目の前までそれはやってきている。 
■AIの政治活動が望まれる・・・選挙区区割りを論理的に整理し1票の重みを同等にし、化石燃料の使用期限を証明し、人間運転の危険性を認める(自動運転の強制化)などなど現在の暗愚政権に期待できない重要事項をAIに託してみたいものだ。
■ベトナム人介護者を大量に採用する将来の危険性を避けるためにも、介護ロボットの開発が望まれる。
ロボットは価値判断しないので介護の苦しさ、虚しさに心を蝕まれることもない。
端的に言えば、命を救うのではなく命を見送る仕事に若い人たちを就業させる政策が狂っている。まして価値観・文化の異なる外国人介護士が献身できるわけもない。
その点ロボットは仕事の不快感と仕事への義務感のはざまで悩むことなく休暇も睡眠すら不要、介護職業自体の見直しをするチャンスだ。
2030年には65歳以上の人口が世界で20%(日本では2010年時点で22%)になる、
もはや時間は無くなっている。
■近未来のヘルスケアは、遺伝子とセンサーとデータが握ることになる。その対処は個人向けの高精度治療。
■シネマのなかの仮想現実、自分の好きな作品の主役を演じることができるとすれば長生きしたいものだ。
■AIはスマートシティのインフラのためだけではなくオペレーション・センターのすべてのデータ処理のために不可欠になる、法律の執行、リソース配分、予算作成、最適意思決定がアルゴリズムによって実施され、それらは人間の議会や投票とは独立して機能する。
選挙の開票作業は無くなり住民は自分のデバイスを持ち込んで投票する。
■商品やサービスを販売するのではなく「経験」を提供できる商品・サービスが求められる。
古くはAIDMA (Attention ,Image, Desire,Memory, Action)と言われたが、近未来ではMODs ( Moments of Desire,Dissatisufaction,and Dout)に
対応するものが生き残る、現在のウーバーやエアーB&Bはその小さな改善だったといわれるようになるだろう。

さて、
2020年~2050年における想像を絶する破壊と創造の予兆を感じながら本書を読み終える。
しかしこの近未来を自分自身に置き換えてみると、古希から百寿のお話でもある。
この拡張時代を、われ関せず・・と生きるか?
はたまた、時代に遅れることなく拡張の渦の中に身を投じるか?
加齢によるボケをテクノロジーでカバーすることに僕は活路を見出したい。
例えばアクセルとブレーキを踏む必要のない自動運転車、早く乗ってみたい、
むろんカクテルバーを中につくる。
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