魂の演技レッスン 22 (2014/2/11)

文字数 677文字

2009年5月初版、2012年5月第4版
フィルムアート社
著者:ステラ・アドラー 編者:ハワード・キッセル 訳:シカ・マッケンジー



サブタイトル「輝く俳優になりなさい」にあるように、
本書はステラ・アドラーの演技教室の記録。
著者は、アメリカ演劇界名門アドラー一族の女優であり教育者。
ステラの説く演技の思想、22のレッスンを紹介しているが、
その中に「ハウトゥー」は一切含まれていない。

彼女は「演劇は思想を伝えるもの」だと主張する。
立ち上げた「グループシアター」は大恐慌時代において演劇界の希望の灯として
多くの演出家、名優を輩出した。
リー・ストラスバーグもそのメンバーの一人、
しかし、ステラの演技論とリーのそれはスタニスラフスキイの解釈において大きく異なり、
ビジネス化の面でも大きな違いがあった。

リーのメソッドは「感情の記憶」であるのに対し、ステラは何よりも「アクション」を尊重し
俳優はイマジネーションを駆使しなければならないとした。

本書における22回のレッスンは、この「イマジネーション」に関する教授から構成されている。
ステラは実際にスタニフラススキイから直接指導を受けた唯一の教師だった。
マーロン・ブランドはステラの教え子、彼女の前では全く頭が上がらなかったとのこと。
「欲望という名の電車」の演技はステラの指導によるものだった。
本書は、シェイクスピア、チェーホフ、イプセンからテネシー・ウィリアムズ、
アーサー・ミラーなどの
劇中人物の表現がカジュアルに引用されていて緊張する。
今まで手を出さなかった分野だが、
自分の人生に参考になることが多い…ような気にもなった。

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