罪責の神々 (2017/11/7)

文字数 652文字

2017年10月13日 第1刷発行
著者:マイクル・コナリー  訳:吉沢嘉通
講談社文庫



リンカーン弁護士シリーズ第5作、
本作のタイトル「罪責の神々 THE GODS OF GUILT」とは被告が有罪(GUILT)か
無罪か(NOT GUILT)を判断する陪審のことであるとの説明があるが、アメリカの刑事裁判ではこの神々をいかに我が物に(味方に)するかが双方代理人の使命である。
犯罪人の弁護をもっぱらその生業とするリンカーン弁護士ことミッキー・ハラーにとってその神々の微笑みは彼の存在を証明することになる、もし無実の被告人を救えることがあれば。

ということで今作では無実の罪を晴らすべくリンカーン弁護士チームの死闘が描かれる。
今ここで裁判の内容を語ることは無意味であり無配慮でもあるので、しない。
本作の最後のパートでのリンカーン弁護士のモノローグを、代わりに下記に記しておきたい:

『 だれもが陪審をもっている。心のなかに携えている声を持っている。 ・・・中略・・・
  わたしが愛してきた人たち、わたしが傷つけてきた人たち、わたしを祝福してくれる
  人たち、わたしに付きまとう人たち。
  我が罪責の神々。毎日、わたしは進みつづけ、毎日、彼らを身近にかんじている。
  毎日、わたしは目の前の窪地に足を踏み入れ、自分の事件の弁護をするのだ。』

今作では腹違い兄弟のハリー・ボッシュは物語には絡まってこない、一度裁判所で出くわすだけ。
ハリー・ボッシュ抜きでもアクション、サスペンスを十分こなせるリンカーン弁護士になっている。
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