で、オリンピック止めませんか? (2019/9/16)

文字数 1,061文字

2019年8月23日 第1版第1刷発行
編者:天野恵一 鵜飼哲
亜紀書房



タイトルのようなソフト感覚はない、オリンピックを糾弾する尖鋭的な論陣が張られている。
論文、レポート、講演会、インタビューを紹介し説明を加えながら当該テーマに迫る。
硬い内容のものだった、予想に反して。

オリンピックに反対する18の理由が最後にまとめられている、せっかくだからご紹介する:
1.どんどん膨れがるオリンピック開催費用 (総額3兆円になる)
2.都市計画の変更なしにスタジアム建設はできなかった(住民が移転させられ跡地に高層ビルが建つ)
3.巨大イベントは利権の巣 (オリンピックはスポンサー企業にとって金のなる樹)
4.オリンピック招致で多額の賄賂 (疑惑の2億3千万円)
5.ボランティア搾取の闇 (無償の善意を悪用する)
6.生活者の排除 (貧民層の立ち退き排除)
7.オリンピックのためのテロ対策 (治安管理強化の実験場、自衛隊の治安出動も検討)
8.「復興オリンピック」は棄民政策 (アンダーコントロールの白々しい嘘)
9.アジアの森林を破壊するオリンピック(明治公園の緑、インドネシア、マレーシアの熱帯天然林の犠牲)
10.オリンピック建設現場の現実 (過重労働、移民労働者の法制化)
11.動員される子どもたち (オリンピック・パラリンピック教育の陰にある道徳教育)
12.天皇・日の丸・君が代 (象徴としての元首天皇の開会宣言)
13.聖火リレーってなんだ?(ナチスが始めたオリンピックトーチリレーは今日本で祝祭の欺瞞になる)
14.パラリンピックと優生思想(傷病兵のリハビリに起源があるパラリンピックは障害者のなかの差別を生み出す)
15.アスリートの身体も破壊される(健康より勝つことが優先、スポンサー・サポーター・国のため)
16.クーベルタンとオリンピズム(人種、性の差別、平和を戦力の均衡とする)
17.戦争とオリンピックはつきものだ(国家主義発信のため)
18.世界各地で反オリンピック運動(立候補する都市が無くなった)

東京都民の方々が喜んで賛成したメガスポーツイベントに文句をつけてはいけないのかもしれない。でも、間違いなく日本国民全体の財産や資金が危機にされされている、それも国民がよく知らないところで。
上記 18個のイシューについては納得するものも同意できないものもある。

ひとりの元マラソンランナー、トライアスリートとしての感想だけ述べておきたい。
8月の東京でのマラソンは間違っている。
汚れた海水でのスイムも許せない。
で、オリンピック やめませんか?
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み